野犬の青春

■アクトタイトル:野犬の青春

■アクトトレーラー
 俺たちはあぶれ者だ。
 新星帝都大付属高校という所謂普通の日常からあぶれてZ組に押し込まれたクズどもだ。
 
 人殺し、犯罪者、ゾク、落ちこぼれ。そいつらが集まるのは正門から歩いて30分バイクで10分セスナで1分、レッドエリアまで5分の教室。
 そこで俺たちはクズっぽく仲間達と生きている。学んでいる。
 
 それを奪おうとするのは日常という名の世界の強者、支配者、全てを持つもの。
 俺たちは弱者だ。日常という世界で声をあげることもできない弱者。
 
 そんなこと許せるか!ここは俺たちの学び舎だ!!
 
 トーキョーN◎VA−D
「野犬の青春」
 
 守りたいものが無くても生きていたい。
 たいせつな人がいなくても生きていたい。
 それがなければ日常じゃないなんて、俺たちは認めない。

ハンドアウト
PC1:人殺しのクズ
シナリオコネ:”生徒会長”王子護

 お前は人殺しのクズだ。
 一応師匠や雇い組織からは「それなりの知識とカバーを用意するのに必要な知識を身につけろ」と言われてガッコに来ている。
 だがここは俺の居場所じゃない。
 自分からはみ出てるのかもしれない。だが人殺しが世界に溶け込めるほど易しくないし、ドス汚れたお前がいられないキレイな人間のいる世界だ、ここは。
 お前は逃げ出した。キレイ過ぎる世界から。そしてZ組に入り浸るようになった。
 そこのやつ等は別にお前を気にしない。ゾクもたくさんいるようで、気づいたら誰もいなくなった机がたまにある。
 それでも誰も干渉しない。何も言わない。ただ、授業時間に野球を始めたりサッカーを始めたり、何も言わずに一緒にいるだけだ。
 それがお前をここに引き付ける静かな、原始的な優しさだと気づいた時にお前は知った。
 このZ組が生徒会によって潰されるということを。
 見捨てるのもいいかもしれない。これで晴れてガッコ生活ともオサラバ、夜の闇にドップリだ。
 ……だが、それはイヤだ。カブトじゃなくても守りたいものはある。
 このZ組という場所を、キミ達の学び舎を。
 
 
 
PC2:クラスのまとめ役
シナリオコネ:”不良教師”スティーブ瀬賀

 お前は超優秀だ。
 何もしないでもこのまま帝都大で超一流の成績で卒業し、超一流の暮らしをするだろう。
 そんなお前に教師が一つの課題を出した。”不良教師”スティーブ瀬賀。野郎の出した課題は「Z組の面倒を見る」。
 最初は面倒なクズどもだった。だが、少しずつわかってきた。コイツらは不器用なんだ。生きていくことに。
 それに気づいた頃、スティーブ瀬賀から出された課題は変わった。「コイツらの幸せ音痴をどうにかしてやれ」と。
 未だにその言葉の意味はわからない。だが、このZ組が失われることがこの不器用な連中にとっていいこととは思えない。
 Z組存続の条件、それは球技大会でZ組がエントリーする種目である野球、サッカーで優勝すること。さらにエキシビジョンの生徒会とのストリートボール、この3種目のうち2種目を取ること。
 チャンスはある。なら残りの3ヶ月、お前のやることはこの幸せ音痴どもが絶対に勝てるようにするだけだ。
 

PC3:若年犯罪者のクズ
シナリオコネ:”ポンコツエース”池永栄一

 お前は犯罪者でクズだ。
 レッガーの下働きをしているうちに身代わり出頭やら年少行きやらやらかして。回りのやつ等からドン引きされて、気づけば日常ってやつから遠く離れてZ組の空の下。
 色んなやつがいるZ組だが、キミが意気投合したのは池永だった。
 野球部のエースだったが、怪我やなんやらで色々あってこっちに来たそうだ。まぁ触れられたくないことが多いようで詳しくは聞かないが。
 だが、そんなことも言ってられなくなった。球技大会で優勝しないとZ組が潰されるというのだ。
 こうなったらなりふり構っていられない。野球で勝つには池永を中心とした野球経験者をまとめるしかない。
 同時にこれはいい機会かもしれない。池永を野球の世界に戻す、機会かもしれない。
 

PC4:カブト
シナリオコネ:”グスタフ・カールエドワード=オーウェン

 お前は元カブト特待生だ。
 だが、一度の失敗で色んなものを失くし、結局Z組にしか居場所がなくなった。
 もうクリスタルウォールを取る気のないお前とつるむようになったのはオーウェンだった。
 昔はサッカー部どころか、高校サッカー界の有名人だったらしいが今はサッカーボールに触る気配もない。サッカーボールを触ってるのを見るのは、昼飯買出し争奪リフティング大会くらいだ。
 そんなお前に突きつけられたのは、Z組が潰されるということ。
 守るものとしての気持ちがなくなったのならこのまま学校という世界から去るのもいいかもしれない。だがお前の心には、まだ守りたいものがある。このZ組という日常を