劇場版AIR

 多分いっぱいネタバレすると思うので。
 ちなみに俺はゲーム版はやった事ないので知識はゼロです。鍵のゲーム知識もまさきみどりさんのみんかの位しかないのであしからず。

 全体の感想としてはなんか狐につままれたような感じだった。見てて今一つわからなかったというか。
 あとは随分と一枚絵演出が多かったかな、とも思ったが監督が出崎統監督だと知って納得。ガンバの大冒険とかかなり一枚絵演出使ってたもんなー。ノロイ怖かったな!!

 同時に出崎監督にはもっと頑張って欲しいと思いました。

 見所は輝くゲロですか、やっぱり。













 以下ネタバレ含む感想。
 主人公らしき男、なんというか青年の主張を繰り返す社会不適格者という感じでした。最初は「バックパッカーやってる方がいいんじゃないか?日本は物価高いし」と思ったもののずっと見てくとそれ以前の問題の人間でした。
 アイツが外国行ったらその人間性からますます生活が出来ずに野垂れ死にが見えてます。
 ヒロインの女と母親はまぁあんなもんじゃないかなぁ。上滑りした空々しさみたいのはありましたが作中全体に漂ってた雰囲気ですし。そこまでは気になりませんでした。

 一番わからないのは翼人伝説(以下ウィングマン)かなぁ。恐らくあそこまで執拗に演出してたが、女が自分の境遇を島に伝わる悲恋寓話となぞらえてるんじゃねーかと思ったり。あの頃の年代の少女はそういう風に思いがちだし。

 情緒不安定な登場人物とかも色々と思うところは出るものの、一番俺が釈然としないのはやっぱ女の最期のシーンだろうか。母親の方が「ゴールなんかじゃない、これはスタートだ」と言ってたが。俺も診ててそう思った。結局何も始まってないんだよねー。女の方は死ぬと言う形で完結、クライングベイベーサクラ風に言うと完成したんだが。
 男の方は冒頭で言ってたとおりここであった経験が経験にならずただ「そんなことがあった」というだけの人生に何の影響も与えてない点の一つと言うか。

 男の方の人格の問題の根源であるであろう「家族」とか「本気」というのが何も言及されてないというか、そこらへんの男の方の問題が何も解決されず成長もなく終わっちまったと言う感じでした。

 まぁ色々と「原作知らないと今一つ理解できないのか?」と言うのが感想のまとめになるわけですが。

 面白いところもありましたよ。輝くゲロとか、超電磁ゴマと男塾演出を足したようなコマ殺戮技とか。雰囲気が雰囲気なので笑い声は出せませんでしたが。