東京ゾンビ

 色々とんでもないサプライズやナンセンスのあるサバイバルロードムービー
 個人的には青春譚でもあると思うんですが。
 以下、ネタバレ含みます。
 
哀川翔浅野忠信を主演に据えた時点で既に面白すぎます。「あ、そう」で流す翔兄、「今拷問してるんすよ」とど素面でいう浅野忠信と、なんというか「大事をスゴイ些細なことにする」力がある役者が延々掛け合いをすると何がなんだか分からなくなってきます。
フジオ(浅野忠信)の「あ、ゴメーン」と言いながら凄まじいことをやる様はスッゲエ。世界滅亡レベルのことを醤油をズボンにこぼしたくらいの感じにするあの演技というか、存在力はスゴイなぁ。
・ビックリするほど柔術映画です。序盤のミツオ(哀川翔)とフジオの掛け合いはほとんど普通に柔術の練習をしてる様って。延々ガードポジションのミツオを攻めあぐねるフジオとかやりつつくだらない掛け合いをするシーンが俺は大好きです。
・「口に出すと恥ずかしいので、今の気持ちを歌にしてみました」
・ハートチップルを前にとても嬉しいそうなフジオ。ハートチップルって。ハートチップルって!!美味しいけどさ!!
この微妙なチョイスが大好きです。ハートチップル両手いっぱいは夢だよなぁ。
・「男なら、ロシアだ!!」
・「男だろ?さよならだけが人生だ」
・○フジオ対ライト級ボクシングチャンピオンゾンビ●
 決まり手はテイクダウンから顔面にワンパン。
・○フジオ対ガチ最強レスラーゾンビ●
 決まり手はサミング。マウントとられたらそれが一番有効ですが!!フジオはガチ。
・ガチ最強レスラーゾンビ>ライト級ボクシングチャンピオンゾンビ ゾンビになってフットワークが使えない軽量級ボクサーよりいくらでもグラウンドに持ち込む手段のあるMMAゾンビのが強い模様です。
・つうか覆面レスラーゾンビのなんというか、不気味さはいいなぁ。
楳図かずお先生が出てきてビックリ。台詞は「もぎとってる?」「ちゃんと、もぎとってる?」「もぎとっちゃうよ」の組み合わせ。これだけでキャラが立つって………というかゾンビ+楳図かずおってだけでなんかゲラゲラ笑ってしまいます。
・ヒロインがいいキャラだなぁ。色々言ってるけどフジオをよく分かってて。そして綺麗にヒールホールド極め過ぎです。
・「自警団150人を血祭りに上げたサイコガンダムくらい強いゾンビ!!サイコゾンビ、オハゲゾンです!!」このローカルな強さの説明が大好きです。
・やはり秀逸なのはクライマックス。フジオの柔術技に自我を取り戻したサイコゾンビ=ミツオとの寝技合戦ですね。
・台詞がなく表情が映されることも無く、メロディアスなギターをバックに延々寝技合戦を繰り広げてるだけなのに、なんかこみ上げてくるものがあります。
・そして、ミツオとの二度目の別れ。
・「カルピスはどこだー!!」そこから始まるドタバタ劇。ここでもう一回転換するのかよ!!
・「このバイク、ロシア製なんだ〜!」「マジで!!」ここら辺の展開というか、フジオのいい顔がたまりません。
・フジオがバイクで妻子の待つ家に突っ込むあたりの爽快感は素晴らしい。
・「あたしの事好き?」「…一応、好きだよ」「一応!?」「…好きだよ!!」「じゃあフミヨのことは?」「お前の十倍好き(即答)」ここらへんの流れも大好きです。愛の物語をこれだけスパっとやられると何もいえない。
・グランエピローグで語られる驚愕の真実……つまり哀川翔柔術は世界最強で、やっぱり哀川翔はいるだけで世界を滅ぼします。スゲエ。